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2007年4月10日 (火)

村上冬樹さん逝く

 俳優の村上冬樹さんがなくなったそうだ。今日の朝刊で知った。

 村上さんは、東宝特撮映画にも多く出演されており、印象にも残っている。

 特に多かったのが博士役である。1954年の『ゴジラ』では、物理学者の田辺博士役で登場した。台詞はほとんどないが、志村喬さんが演じる山根博士に何度か名前を呼ばれているし、ゴジラが放射能の影響を受けていることの証明となる物質の検出を行なっている。ゴジラが猛威を振るった後の都内の避難所で、子供にガイガーカウンターを当て放射能が検出された結果を見て首を横に振るシーンが印象深い。また、ラストの山根博士の台詞をその後ろで聞き、最後に立ち上がってフレームアウトするシーンでも存在感を出している。

 この後も、『空の大怪獣ラドン』や『地球防衛軍』、『大怪獣バラン』で博士役を演じている。ただ、どの役も主役級の博士役ではなく、二人目、三人目の博士役だ。『ラドン』では平田昭彦さん、『地球防衛軍』では志村喬さん、『バラン』では千田是也さんが、最も重要な博士役になる。どれも『ゴジラ』の時ほどは目立たない役どころだ。

 おもしろいのが『電送人間』と『ガス人間第一号』の役の逆転である。『電送人間』では良識派で登場し、電送人間の実態解明に一役買っている。逆に『ガス人間第一号』では、マッドサイエンティストとしてガス人間を生み出す博士を演じている。

 後の『宇宙大怪獣ドゴラ』の宗方博士、『フランケンシュタイン対地底怪獣』の須賀博士、『フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ』の喜田博士を演じているのは、中村伸郎さんだが、宗方博士は別として、須賀、喜田両博士は、村上さんが演じているような博士と同様な役どころである。村上さんが演じてもよかったのかもしれない。

 村上さんの博士は柔らかい物言いなので、断言口調の中村さんとは少し印象が違う。他に出てくる博士役の人たちとのバランスも合ったんだろうな。

 いずれにしても、1954年の『ゴジラ』に関係していた人がまた亡くなったわけだ。それだけ時間が経っているという事かも知れないが、残念なことだ。御冥福をお祈りしたい。

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コメント

村上冬樹さん。たしかサークルKのCMで肉まん買っていましたね。あの時もう90歳位のお歳だったでしょう。 東宝所属の方だと思いますが、案外コミカルな役もやっています。

投稿: スタンリーメタボリック | 2007年6月 6日 (水) 13時29分

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